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好きな言葉達。 引用掲載に当たって、改行などの多少の編集を加えています。
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「私はだいじょうぶだよ。そんなに心配せずとも。
 こういう思いには慣れているのだから」

(梨木香歩作『丹生都比売』より 草壁皇子の独白)

 どんなに世を荒んで見ていたとしても、
 自分の親が自分を殺すとわかった時に、
 こんなに穏やかに諦めてしまう子がいるだろうか。

 私は草壁の母、鵜野讃良皇女はすごい人だと思っている。
 きっと強い人だった。
 だから、彼女が実の息子を殺したのであれば、
 それは政治的意図もあってのことだと思う。
 でも、そうまでしなければならない弱さもあったのだと思う。

 そう思ってみて、ふと私は考えた。
 最近、児童虐待が注目された始めているけれど、
 その被害者の子供達は、
 もしかして、もしかすると
 こういう気持ちで死んでいくのではないだろうか。

 世の中には強い人間ばかりではない。
 どうしょうもなく弱くて、
 自分の不甲斐無さを子供にぶつけてしまうことは、
 決して珍しいことではない。
 全てを諦めて、親の弱さを受け止める虚しさ。
 そんなもの、子供の背負うものじゃない。
 子供の背負うものじゃないのに……

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