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好きな言葉達。 引用掲載に当たって、改行などの多少の編集を加えています。
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「時間を意識し、時を刻んだ瞬間から、
 人は時間に縛られてしまった。
 時間に追われると人は言うが、時間は人など追いはしない。
 こんなちっぽけな生き物など、時間には関係ないからな」

(久能千明著『タイトロープダンサーSTAGE3』から ガネーシャの台詞)

 一日24時間という区切りの中で、私達は生きている。
 その尺度は造られたものに過ぎないのに、
 まるで時計は神様のよう。
 バスが来ない、学校に遅れる、締め切りに間に合わない。
 全部時間を基準に考えている。
 社会に沿おうとして生きる結果、苦しみもがいている。

 アフリカに住んでいた頃を思い出す。
 現地の人達は時計を持たない。
 朝早くに食事を執り、来たバスに乗り込み、
 夕方日が暮れるまで働いて、夕食をとって眠る。
 そんな基本的な生活を私は失ってしまった。

 時間に囚われてしまっている、今の私。
 もがいているのに、抜けられない。
 そんな社会でしか生きられないし、そんな世界にしか身の置き場がない。
 不思議。私は今いる世界に適合できない。

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 柴田さんの作品を読んでいて、すごいなって思うこと。
 それは人を「働きたい」っていう気分にさせること。
 ぐうたらでちゃらんぽらんで面倒くさがりな私でさえ、
 「働くっていいのかも」って思わされちゃう。

「あたしが上を目指してもがき苦しむことで、
 細く頼りないものではあってもそこに道ができる。
 その道をのぼって来るたくさんの、来年のあたし、
 五年後のあたし、十年後のあたし、未来の、あたし。
 あたしの予備軍の為に、ここで立ち止まるわけにはいかない。」

(柴田よしき『ワーキングガール・ウォーズ』から 墨田翔子の台詞)

 人生って自分のものだけじゃないんだよね。
 後輩の見本になるような人間になって初めて、一人前。
 そんな人間じゃなきゃいけないんだよ。
 だって「今」には絶対戻れないんだもん。
 でも、伝えることはできる。
 「今の私と同じ立場」に置かれた「誰か」になら。
 

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 この世界には私の居場所はない。
 何度も絶望して、何度もそう嘆いて、そして……何度も現実を思い知った。
 私はこの世界の人間でしかない。
 今ある居場所を有難く受け入れなければならない。
 居場所がないならば、血を吐く思いで作り出すしかない。

 願っても手に入らない、異邦の地。
 夢に漂う、幻の墓場。

「あなたは行って、この世界で生きなければならない」
「行って下さい。あなたは、人なのだから」

(小野不由美『魔性の子』から 高里のセリフ)

 私に言われたような気がした。
 いつまでも幻に嘆いていないで、
 自分自身が生きる世界を見つめなければならないのだと。
 私は所詮、この世界の人間でしかないのだから。

 私は異端だ。この世界のはみ出し者だ。
 それでも、私にはこの世界以外にいる場所はない。
 還るべき世界など、私にはどこにもないのだから。

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 私はもう大人なんだよ。
 子どものココロを知っているつもりでも、もう大人なんだ。
 免許証と選挙権と納税の義務と引き換えに、私は子どもでいる権利を失った。
 それは紛れもない事実。

「俺は大人になって、教師になって、スーパーマンになったつもりだったから。
 山田のことでも、おまえに嫌われてもいいから、
 高校行けるようになんとかしてやろうって張り切ってたし。
 海野の家だってなんとかするつもりだった。
 ヒーローは必ず危機に間に合う。そういうふうになっている。
 だけどちがった。生徒が死ぬなんて」

(桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』から 担任教師のセリフ)

 ヒーローは必ず危機に間に合う。何て夢に満ちていて、何て儚い愚かな妄想なんだろう。
 間に合うわけがない。大人は子どもを守れるけれど、それはごく一部の場合でしかない。
 大人にできるのは、子どもに迷惑をかけないようにすることくらいなんじゃないのかな。
 私はそんな大人なんだ。

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「あたしはだんだん、からだの奥に力が宿ってくるのを感じる。
 静香に支えられていたときとはちがう。
 あたしがうまくやらなきゃ、切り抜けなきゃ、と繰り返し考える。
 自分にはできる。
 特別な女の子にならなきゃ。静香が信じてくれていたような」

(桜庭一樹作『少女には向かない職業』から 大西葵の言葉)

 誰かのために、と理由をつけて強くなれるのは、性別で言えば女の傾向だと思う。
 友達のために、親のために、夫のために、子供のために……
 誰かのために強くなって、自分でも思いがけないくらい強くなって、
 その結果、孤独な自分では考えられないようなことも簡単にしてしまう。
 女は最強。
 少女も、女性も、母親も、皆が最強。
 誰かが自分を信じてくれる、期待してくれる。だから頑張れる。
 逆に言えば、孤独な女は強くなれない。
 人を支えることで強くなれる。そんな生き物。

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 人間の社会で生きていく以上、独りで生きるのはちょっと難しい。
 どうしても誰かに依存することは必須だと思う。
 でも、何か一欠けらでも独立することは大切ではないだろうか。

「私達、個族なのよ」
「孤独だって言って悲壮がるんじゃなくて、個人として生きていくの」

(永井路子『茜さす』 友田なつみの言葉)

 一人一人が独立していながら、何かあった時には助け合う。
 家族とか学校とか、そんな枠組みにばかり囚われていたら、何も出来ない。
 他人の意思に沿おうとばかりすると、自己矛盾に疲れ果てる。
 他人の意思を言い訳にして、足踏みばかりしてしまう。

 個族。目指すべき道。

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 子どもは喧嘩をする生き物だと思う。
 自分の意見を表現する術がわからずに、体全身で叫ぶ。
 それは正しい争いだと思う。
 小さな争いから学ぶことで、人間社会で生きていく術を学ぶのだから。

 でも、大人の争いは醜い。
 節度を知っているくせに知らないふりをする。
 そんな卑怯者達のせいで、どれだけ多くの子どもが傷つけられていることか。

「あなたたち大人が、少しでも責任を全うしてくれたら、
 少しでもやる気を見せてくれたなら、
 ほんの少しでも他人を思いやる気持ちを見せてくれたなら、
 あの子たちも普通でいられたんです」

(『新機動戦記ガンダムW エンドレスワルツ』 ドロシー・カタロニアの台詞)

 どうして子どもが大人のせいで戦わなければならないのか。
 どうして子どもが大人の戦いの中で傷つかなければならないのか。

 子どもが死ぬ。大人によって殺される。
 子どもが死ぬ。大人によって心を殺される。

 どうして終わらないのだろう。
 わからないエンドレス・ワルツ。
 止めなければ。まだ子どもの心を知る者の手で。

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「あなたがどんな生き方をして何を遺して死ぬか、
 それはあなたの自由だ。
 でも、ただ血が繋がっているというだけの理由で
 それを背負わされることは、不幸だと思う。」

(柴田よしき作『ヒー・ラブズ・ユー』 花咲慎一郎のセリフ)

 一人の作家さんにはまって読むという行為は、自分には無縁だと思っていた。
 基本的に読書について雑食で、面白いとか興味があると思ったら
 図書館で借りまくる(注 自分じゃ買わない)。
 一応、一般資料室の書棚は全列一冊以上で制覇したし(意味なし…)
 絶対に興味が湧かない物理学書の横に、
 物理学的に考えたギリシア神話の歴史なんかが置いてあったりするので、
 制覇はノー・プロブレムで成功したわけだ。
 とは言え、文章の上手い作家さんには、こんな私でも惹かれるらしい。
 それで以って、話が面白いとなれば当然のことだ。

 実のところ、私は男性小説家の文章には情緒面で物足りなさを感じる。
 だから、女性作家の方が好みだ。
 前置きが長くなったが、要するに今は柴田よしきさんにはまっている。
 他にこんなにも熱中したのは、久能千明さんと柏葉幸子さんしか思い当たらない。
 雑食人間を菜食に引きずり込む、この方達の文章の面白さ!
 内容の素晴らしさに、キャラクターの臨場感もすごい。
 本当に尊敬している。
 別に勉強と称して読んでいるわけじゃないけど、かなり勉強になっている。
 別の言い方をすれば、自分の文章の面白くなさに疲れている。
 キャラクターに心を打つセリフを言わせた時に、
 読者をそのキャラクターに惚れさせる勢いがある作品はすごい力があるんだ。

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「自分独りが苦しいなんて思い上がるな! みんな同じだ!!」
(久能千明著『誰も悪くない』から 林明のセリフ)

 自分だけが弱い。
 自分だけが孤独。
 自分だけが無力。
 自分だけが悲しい。

 そんなことを思ってしまうことって、本当によくある。
 違う。いつもそう思って生きている。
 とんでもない思い上がりだとわかっていても、
 どうして自分だけが、と心を「惨め箱」に閉じ込めて
 自己満足している。

 皆が弱いんだ。
 皆が孤独なんだ。
 皆が無力なんだ。
 皆が悲しいんだ。
 そして、皆が苦しいんだ。

 そんな当たり前のことを、どうして理解できないんだろう。
 理解しているのに、どうして信じられないんだろう。

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「わたしたちは、おたがいをよく知らないから、こわいのかもしれない。
 正面からぶつからないで、遠くから見ているだけから。
 リナのように、とびこんでいったほうがいいんでしょう。
 リナがやったように、トーマス流にどなりちらしてね」

(柏葉幸子『霧のむこうのふしぎな町』から イッちゃんのセリフ)

 本当に人と接する事は怖い事だと思う。
 一番楽しくて、そして一番恐ろしい事なのだ。
 私はいつも逃げている。
 昔はそうでもなかったと思うな。
 正面からぶつかっていったら、誰も受け止めてくれなかった。
 あの時の虚無感ほど、苦しいものはない。
 つらくてつらくて、人とぶつかるのが嫌になったよ。
 どんなに頑張っても、避けられてしまう。
 人のせいにしているわけじゃない。
 あまりにも閉鎖的な社会に、嫌気がさしているんだ。
 そして、そんな世界に染まっている自分が、憎くてたまらない。
 ぶつかって失敗した惨めな自分も、殺したいくらいに憎い。
 過去は変えられないけれど、
 私がぶつけた思いを誰かが肯定してくれたらって、
 馬鹿な事を考えているんだよね。

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